桂米朝師匠の「試し斬り」です。
上方の噺としては珍しい、侍が主人公(?)の内容です。
内容的には小品の寄せ集めという感じになります。マクラで語られているものも、師匠の全集には独立したひとつの噺として載っています。
上方の噺の中にも、侍が出てくる噺はないわけではありません。内容的に侍が出てくる話というのは当然江戸時代の話になりますので、庶民の立ち居振る舞い言葉遣いと侍のそれは大きく異なっていました。殊に奉行が出てくるような噺には、重々しさを演じる力がいりますので、前座のうちにこういう侍の登場する小品を演じておくことによって「侍らしさ」を表現する稽古にもなったようです。そしてまた、昔の寄席というのは前座はこういうものを高座にかけて、あとは踊りでも踊っておけば役目としては十分果たしたというようなところだったようです。
映像媒体で出ている師匠の全集には入っていないと思いましたので、出してみることにしました。