那覇市の首里地区にある「首里劇場」が今年、開館70周年を迎えた。県内最古の映画館だ。戦後、映画や沖縄芝居など庶民の娯楽場として栄えたが、いま上映するのはもっぱらピンク映画。3代目が細々と営む。最近は、建物としても歴史的に貴重と見直され始めている。
首里城から約500メートルの住宅街。1月中旬の昼下がりに訪れると、館内からピンク映画らしい声が漏れ聞こえた。「首里劇場」と手書きされた壁はペンキが所々はがれ、ガジュマルの木が屋内まで根を伸ばす。薄暗い館内に入ると「ちょっと待ってね」と2階の映写室から館長の金城政則さんが下りてきた。 この日は3本立ての上映。入場料は800円。縦約4メートル、横約7メートルのスクリーンに、客席は200ほど。高齢や中年の男性ら約10人が鑑賞していた。1人で切り盛りする金城さんは「昔は笑いと感動、今は笑いとエロを届けているよ」と笑った。
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