【桂 文珍(かつら ぶんちん)】1948年12月10日 – )は、日本の落語家、タレント。本名、西田 勤。
兵庫県多紀郡篠山町(現:篠山市)福井出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー(吉本興業)所属。大芋小学校、東雲中学校(現:篠山東中学校)篠山鳳鳴高校を経て、大阪産業大学卒。5代目桂文枝の弟子で出囃子は『円馬ばやし』。「桂珍幻彩」の名で高座に上がることもある。
(ウィキペディアより)
【あらすじ】
若くて別嬪の浄瑠璃のお師匠さんに稽古に通う次郎吉と六さん。あわよくば、師匠のお静さんをものにしようと狙っている「あわよか連」、「狼連」の稽古仲間だ。
次の会の義経千本桜で端役をあてがわれた六さんは面白くない。六さんは次郎吉にお静さんにはもう常吉という可愛い男がいるから、稽古に通っても無駄だから止めた方がいいと言う。さっき久しぶりに稽古屋へ行くと、中から声が聞こえるので覗くとお静さんと常吉が二人肩を寄せ合い酒を飲んでいるのを見たと言う。
次郎吉は半信半疑で稽古屋へ行き障子に穴を開け中を覗くと、確かに二人が肩を寄り添って酒を飲んでいる。腹の虫が収まらない次郎吉。町内で悋気、やきもち焼で知れ渡っている常吉の女房のおとわの家へ行く。
おとわは常吉の着物を縫っている。次郎吉はおとわにお前がこんなに亭主につくしても、常吉は稽古屋のお静とうまくやっていると告げる。おとわは腹を立て、あわや縫っていた着物を引き裂こうとする。
次郎吉は、今現場を見てきたばかりだから間違いない、着物を引き裂き、皿や鉢、茶碗、丼も割ってしまえとおとわをけしかける。すると、おとわは冷静になり、亭主は奥の部屋で寝ている、ふざけたことを言わないで帰ってくれという。
そこへ、起きてきた二人の話を聞いていた常吉が現れ、お前とはもう友達の縁を切るからうちへ来ないでくれと次郎吉を追っ払おうとする。
次郎吉は合点が行かないので、稽古屋までおとわさんと一緒に行って確かめさせてくれと頼む。おとわはそんなアホらしいことは嫌だというが、常吉が一緒に行ってやれと言われ稽古屋に行く。
おとわが稽古屋の障子の穴から覗くと確かに常吉がいる。次郎吉は稽古屋からおとわの家まで真田の抜け穴のような道でも掘ってあるのだろうと言う。
二人が急いでおとわの家に戻ると常吉がいる。二人から話を聞いた常吉は次郎吉と稽古屋へ行く。確かに中に自分がいる。常吉はこれは狐狸妖怪のしわざに違いないから、次郎吉に中に入り酒を注げという。そしてもし、相手の手の先が丸かったらキセルで頭をどついて、俺を呼べという。
しぶしぶ中に入った次郎吉、注がれた酒を飲み、ご返盃と差出し盃を受け取ろうとした相手の手をつかむと先が丸い。「先が丸い、丸い!」と叫ぶと常吉が入ってくる。常吉が二人になり、びっくりするお静さん。
常吉はお前は誰だと、にせ常吉を打ち始める。すると、笛、鳴物が入り、芝居がかりでにせ常吉が白状する。自分の両親は昔、鼠がはびこった時、博士の占いで生皮をはがれ三味線にされた猫で、その三味線がこの家にあるので両親恋しさで常吉に化けて逢いに来るのだという。
これを聞いた次郎吉、こんどの会は千本桜の役割が揃っているので大当たりだという。
吉野屋の常吉の義経、猫が化けてここで毎日酒を飲んでいたので、猫のただ飲む、猫の忠信で狐忠信、自分が駿河屋の次郎吉で駿河の次郎という訳だ。
常吉 「肝心の静御前は」
次郎吉 「ここの稽古屋のお師匠さん、名前もお静さんなら器量もいい、静御前にぴったりやがな」
お静 「あほらしい、わて見たいなお多福、なんの静に似合うかいな」
すると猫が顔を上げて、「にゃあう」 (落語散歩33より)